海外旅行をパッケージツアーなどによらず個人で準備する場合には、航空券やホテルの予約、現地で利用する鉄道などの交通手段、鑑賞するバレエやオペラ、美術館のチケットなどを個別に自身で手配しなければなりません。ひと昔前なら大変な手間でしたが、今では予約から支払いまで、自宅のデスクからインターネットを通じて簡単に済ませることができるようになりました。ただし、ロシアへ渡航するには、これらに加えて出発前に予めビザを取得する必要があります。ロシアの(観光)ビザは、扱っている旅行会社や申請代行業者に依頼すれば取得は可能ですが、およそ10,000円程度の手数料がかかります。
そこでここでは、ホテルの予約サイト”booking.com”からホテルを予約し、自分でビザを取得するまでの流れについて説明したいと思います。
【 ロシア観光ビザ取得の流れ 】
- booking.com でホテルを予約(ホテルの公式サイトからの予約も可)
- 予約確定時、ホテルへのリクエストの欄にビザサポートを依頼するメッセージを記入して送信
- ホテルから”VISA Support letter(document)”の作成依頼フォームがメール添付にて送付されて来る
- 作成依頼フォームに必要事項を記載し、メール添付にてホテルへ返送
- ホテルから”VISA Support letter”がメール添付にて送付されて来る
- ロシア連邦外務省領事局の公式サイトのオンライン査証申請フォームのリンクhttp://visa.kdmid.ru/ からビザ申請書(VISA Application Form)を作成(VISA Support letterの記載事項を転記)
- 完成した申請書(完成すると「成功しました」のメッセージが画面に表示される)をプリントアウト
- 申請書にパスポート用と同サイズ(縦4.5cm、横3.5cm)の顔写真を貼付し、作成日と自分のサインを自書
- 申請書、ホテル発行のVISA Support letter、パスポートの3点を東京のロシア連邦大使館領事部または、大阪、新潟、札幌(函館分館でも可)のロシア連邦総領事館のビザ申請窓口に提出(それぞれ受付時間が異なるので確認してください。)
以上が、ホテル予約からビザ申請までの流れとなります。
申請書等の必要書類が受理されれば、その場で発給日が記載された受取証が発行され、およそ2週間後にVISAが発給(パスポートにVISAが貼付)されます。申請からVISA発給まで、通常の期間でよければ無料ですが、受領を急ぐ場合には、1週間以内だと4000円、2日以内の場合は10000円を窓口で支払います。
“VISA Support letter”は、ロシア連邦大使館の公式サイトでは「旅行確認書」と表記されており、次のように説明されています。
『旅行者(特に個人旅行者)は、上記書類(申請書とパスポート)のほかにロシア側の旅行会社が発行する旅行確認書(コピー可)が必要となります。この確認書は、ロシア連邦外務省の領事局で然るべき登録を受け、旅行リファレンス番号を取得しているロシアの旅行会社のみが発行できるもので、所定の書式の「外国人旅行者受け入れ確認書」にのっとって作成され、責任者の署名および社印の押印をされていなければなりません。』
ここでいう「旅行確認書」は一般に “VISA Support letter” (VISA Support documents と表記される場合もあります。)と呼ばれます。
具体的にイメージできるよう、実際にホテルから送られてきたメールと作成依頼フォームを記します。
モスクワのホテル Courtyard by Marriott Moscow City Center の場合
下の添付ファイルとともに、次のようなメールが送られてきました。
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Dear 〇〇〇〇〇〇〇,
Greetings from Courtyard by Marriott Moscow City Center!
Please, find attached special form for visa support documents.
We kindly ask you to complete this form (fill in and sign in for each guest separately) and return it by e-mail or fax.
Please, note that the visa support documents cover only the period of the reservation at the hotel.
This service is free of charge for all guests who check in to the Courtyard by Marriott Moscow City Center but in case of reservation cancellation or no-show a fee of RUB 3000.00 will be charged automatically to the credit card.
Should you have any questions, please do not hesitate to contact us.
Best regards,
△△△△△△△ □□□□□□□□□
RESERVATION SUPERVISOR
O +7.495.937.31.00
COURTYARD MOSCOW CITY CENTER
Voznesenskiy Pereulok, 7
Moscow, Russia 125009
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内容を要約すると・・・・、
◆メール添付したビザ・サポート・ドキュメントの作成依頼フォームに必要事項を記入し、サインして email またはfax で返送してください。
◆ビザ・サポート・ドキュメントはホテルを予約している期間に限りカバーすること
◆予約をキャンセルした場合や不泊の場合は、3000ルーブルが(登録した)クレジットカードに自動的に課金されること に留意してください。
◆疑問な点は、遠慮なくお尋ねください。
上の作成フォームに必要事項を記載し、手書きでサインしたペーパーをスキャナーでPDFファイルにして返送したところ、ホテルからビザ・サポート・ドキュメント(PDF)が送られてきました。(↓)
個人情報に関する部分は消しています。
次は、上のビザ・サポート・ドキュメントに記載された内容をもとに、ロシア大使館領事部または総領事館の公式サイトのオンライン査証申請フォームのリンクから、申請書を作成します。
実際に作成した申請書(VISA APPLICATION FORM)の例です。(↓)
個人情報に関する部分は黒く塗りつぶしています。
申請書1ページ目下欄左側の所定の位置に、パスポートと同サイズ(4.5cm✕3.5cm)の顔写真を貼付し、作成した日付を記入して手書きでサインすれば、申請書の完成です。
◆ロシアへの入国回数について
もし、予定している旅程が、ロシアへ入国した後、一度外国へ出国し、再びロシアへ入国してから日本に帰国する旅程の場合には、通常のシングルエントリー(入国1回)ではなく、ダブルエントリー(入国2回)のビザを申請する必要があるので注意してください。空港(制限エリア)内での乗り継ぎだけで、入国(イミグレを通過)しない場合は、回数に数える必要はありません。
最後に、ビザ申請書(VISA Application form)、ホテル発行のVISA Support letter(document)、パスポートの3点を東京のロシア連邦大使館領事部または、大阪、新潟、札幌のロシア連邦総領事館のビザ申請窓口に提出し、受理されれば申請完了です。受付時間はそれぞれの公館で異なるので事前に確認してください。
なお、東京のロシア大使館領事部は事前予約制となっていますので、以下サイトの記載事項を確認し、事前に予約してから申請にお出かけください。
https://tokyo.mid.ru/web/tokyo-ja/-24
なお、”VISA Support letter(document)”の作成依頼フォームや VISA Support letter のレイアウトは、予約したホテルによって異なります。ここで紹介した例は、あくまでもホテル・コートヤード・マリオット・モスクワ・シティセンターの場合の例としてご理解ください。
booking.com でのホテルの予約から VISA Support letter 入手までに要した時間は、ホテル・コートヤード・マリオット・モスクワ・シティセンターとサンクトペテルブルクのホテル・ケンピンスキー・モイカの場合、いずれも48時間以内でしたが、ホテルによってはレスポンスが遅く、かなりの日数を要する場合があると聞いています。
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