モスクワ音楽院 留学情報

モスクワ音楽院での学生生活をイメージできるよう、ブログ形式にまとめてみました。私自身は、音楽は素人なので、主にモスクワでの日常生活や音楽院・学生寮の様子、入学手続きや日本との往復などの話題を中心に、父親の目線で紹介していきます。モスクワの今をできるだけ実感していただけるように、写真もたくさん掲載するようにしたいと思います。モスクワ音楽院留学を考えている本人やご両親にとって、少しでも参考になればうれしく思います。

モスクワの街歩き(7)

① モスクワのタクシー事情

 モスクワの街を巡るとき、メトロに加えてタクシーを使いこなせるようになると、とても便利だと思うのですが、タクシーの利用は旅行者にとってはかなりの難題です。  

 

※ 2017年9月18日追記 : 

モスクワやサンクトペテルブルクのタクシーの事情は、予約アプリの普及により、この2~3年で劇的に変わりました。タクシーや予約システムに関する最新の事情については、この稿の末尾のリンクから、関連記事「最近のタクシー事情(モスクワ / サンクトペテルブルク)」をご一読ください。

 - 空港からモスクワ市内への移動 -

 まず、空港で入国手続きを終えて到着フロアに出ると、「TAXI」と書いたプラカードを持った大勢のドライバーに出迎えられます。彼らのほとんどはいわゆる「白タク」ドライバーなのだそうです。 

ネット上のブログ旅行記などを検索すると、「タクシーにぼったくられた!」とか、「空港から中心部のホテルまで90EURも請求された。」といった内容の記事をよく見かけます。空港からホテルまでタクシーを使うときには、多少高くなったとしても旅行会社(できればロシア専門の旅行会社)などを通じて事前に予約しておく方が無難なようです。

ちなみに、2015年5月にドモジェドボ空港からクレムリンの前のホテルまで、東京のロシア専門の旅行会社「ユーラスツアーズ」から予約したときには、片道料金が2名の利用・手数料込で¥5700(この時のレートで約2500ルーブル)でした。 

 

- モスクワ市内の移動 -

次は市内の移動についてですが、モスクワ中心部の主要なホテルには、周辺にタクシーが待機している場所があるので、タクシーを見つけることは難しくないのですが、車に乗り込む前にドライバーに行き先(建物や通りの名称など)をロシア語で告げて、料金の交渉をしなければなりません。

また、いわゆる流しのタクシーはあまり多くありません。大きな通りに立って行灯のある車を見つけて手を上げると、運が良ければ停まってくれますが、タクシー乗り場でなければ容易につかまらないことが多いでしょう。逆に、想定外の行灯を掲げていない普通の車(白タク)が停まることもあります。「ちょっとお小遣い稼ぎにお客を運ぼう」という場合もあるようです。

これらの場合も、ドライバーと行き先や料金の交渉が成立してから乗車することになります。

とりわけ料金については、およその相場観がなければ、交渉はスムーズには進まないでしょうから、一見さんの旅行者にとって、タクシー利用は相当高いハードルと言えそうです。ぼったくりを避けるためにも、相場観は重要と言えそうです!

 

- タクシー料金の目安 -

 それでは、料金の目安を確かめておきましょう。旅行記ブログなどには、よく経験談が紹介されていますが、ケースによる差が大きいので、あくまでも参考程度と考えておく方がよさそうです。

ここではロシアのタクシー予約サイト ”TAXI@SMS” をみてみましょう。(↓)

◆  http://www.taxi-sms.ru/ (ロシア語)

 

このサイトでは、街中の料金は次のような時間制になっています。

<普通車>

○ 日中(9:00~20:59):乗車時の基本料金が49ルーブル、以後1分ごとに13ルーブル

● 夜間(21:00~8:59):乗車時の基本料金が99ルーブル、以後1分ごとに13ルーブル

ビジネスクラス

○ 日中(9:00~20:59):最初の25分間が550ルーブル、以後1分ごとに17ルーブル

● 夜間(21:00~8:59):最初の25分間が600ルーブル、以後1分ごとに20ルーブル

 

一方、市内と空港の間の移動については、 

<普通車>

○ 空港までの送りが1300ルーブル、空港での出迎えが1500ルーブル

ビジネスクラス

○ 空港までの送りが2000ルーブル、空港での出迎えが2200ルーブル

 

※ 日本の大手旅行会社の中には、市内-空港の片道12000円(6500ルーブル)以上の料金を設定している場合があるので要注意です!

 

次に、ビジネスクラス専門のタクシー会社” ФАЭТОН ТАКСИ” (ファエトン・タクシー)の料金もみておきましょう。(↓)

http://www.faetontaxi.ru/main/

こちらは、時間帯や曜日にかかわらず24時間365日同一の運賃体系が適用されます。

○ 基本料金が500ルーブル(小環状道路内で30分または17kmまで)、

 以後、時速30km以上での走行時は、1kmごとに35ルーブル

    時速30km未満での走行時は、1分ごとに17ルーブル 

 となっています。時間内でも、小環状道路の外に出ると課金がスタートする仕組みのようです。

少々高めの料金設定ですが、車両は新型のセダンで、走行中の車内ではfree Wi-Fi が使用できます。(↓)

 

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ファエトン社のタクシー(ビジネスクラス

 

モスクワ音楽院から学生寮までの料金

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音楽院から寮までは、およそ4km(徒歩なら約40分)の道のりです。

 

メーターを使わない(交渉(制)による)場合、音楽院の学生は通常300~400ルーブルでタクシーを利用しているそうです。私も音楽院と寮の間を往復利用したことがありますが、往復とも500ルーブルでした。

どうやら外国人相手の場合、モスクワ市内の小環状道路内の移動は、500ルーブルが料金の目安になっているようです。(2015年秋・冬)

ビジネスクラスのファエトンタクシーにも1度乗車してみました。

ドライバーに、「モスクワ音楽院から寮(マラヤ・グルジンスカヤ22/24)まで500ルーブルでどうか?」と交渉したところ、「無理だ!」と断られました。上述のとおり、ファエトン・タクシーはメーター制です。試しに乗ってみたところ、メーターでちょうど700ルーブルでした。料金は少し高くなりますが、ドライバーの対応は紳士的で、乗り心地も良好でした。ただし、ファエトン社の料金システムでは、渋滞にあったときは高額になりそうです。

 

- 音楽院の学生専門の白タクのおじさん -

留学中の長女によると、寮と音楽院の間を行き来する学生を相手に、格安料金(250ルーブル)で営業している「白タクのおじさん」がいるとのこと。ちょうどモスクワ滞在中、このおじさんの白タクに一度遭遇したので利用してみました。ダークブラウンの古い小型のセダンでしたが、おじさんの運転も丁寧で何の問題もありませんでした。真冬の厳寒の朝、寮から音楽院まで250ルーブルなら、寮生活の学生達にとって優しい料金設定といえそうです。寮生にはとても有名な白タクのおじさんでした。(笑)

  

※ 2016年9月12日追記 : 

モスクワの長女によると、スマホを使って、今いる場所、若しくは指定した場所からタクシーを予約できるとても便利なアプリが登場したとのこと! 

スマホの画面から行きたい場所を入力すると料金が表示され、「予約」をクリックすると間もなくタクシーが迎えに来てくれるシステム(迎えの時間指定も可能)なのだそうです。

このアプリを使えば、小環状道路内の移動なら、300ルーブル程度でよいようです。

ちなみに、長女がこのアプリで寮からドモジェドボ空港までタクシーを予約(2016年7月)したところ、料金はなんと1000ルーブルだったそうです。激安ですが、運転手さんには申し訳ないですね!

 

※ 2017年9月18日追記 : 

モスクワやサンクトペテルブルクなど、都市部を中心に急速に普及しているタクシー予約アプリの詳細についてはこちらから(↓)