モスクワのレニングラード駅に到着した高速列車サプサン757号
2018年1月7日(ロシア正教のクリスマスの日)、サンクトペテルブルクからモスクワまで、高速鉄道「サプサン(はやぶさの意)」を利用してみました。
サプサンは2009年12月に営業運転をスタート、その後2013年12月1日からは、リニューアルされたサプサンが運行を開始し、モスクワ~サンクトペテルブルク間を最速3時間30分で結んでいます。
ロシア鉄道会社(РЖД)のオフィシャルサイト(英語版)をみると、サプサンは次のように紹介されています。
『猛禽類の中で最速の鳥「はやぶさ "Falcon"」を意味するロシア語「サプサン」は、最高時速250kmで走行する新しい列車にふさわしい呼称である。本物のドイツ品質で製造されたシーメンス社製の車輌は、ロシアの厳しい気候条件にも完全に適合している。』
ロシアの2都、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶサプサンは、1編成10輌(長さ250m)で構成され、始発はサンクトペテルブルク発が5:30、モスクワ発が5:45、最終はどちらも21:00発、2018年1月現在、1日15往復運行しています。
ロシアのクリスマスの日の朝 8:30のモスクワ駅(ペテルブルクの駅)構内
出発時刻の掲示板 9:00発のモスクワ行きサプサン757号が先頭に表示されています。
※ 2019年2月追記:
この掲示板は、リニューアルされています。(↓)
リニューアルされたモスクワ駅構内の掲示板(2019年1月13日撮影)
7番ホーム サンクトペテルブルク(モスクワ駅)9:00発 サプサン757号
2号車(ビジネスクラス)の車内
シートは本革張り、1輌に4人掛けのテーブル席が4つあります。
3号車(エコノミークラス)の車内
シートは布張りですが、座席のサイズはビジネスクラスと大差ありません。
1編成の乗車定員はファーストクラス1輌(26席)、ビジネスクラス1輌(52席)、エコノミークラス7輌(428席)のトータル506席の他、中央部の5号車はビストロ車輌、またファーストクラスの車輌にはカンファレンスルームが設けられています。
座席配置は、ビジネスクラスとエコノミークラスの座席は、通路をはさんで片側2席ずつの1列4席、新幹線のグリーン席とほぼ同じスケールです。一方、ファーストクラスは2席+1席の1列3席で、こちらは東北・北海道新幹線のグランクラスに相当する配列となっています。(↓)
1号車(ファーストクラス)の座席配置
2号車(ビジネスクラス)の座席配置
6号車(エコノミークラス)の座席配置
5号車(ビストロ車輌)の配席図
以上、ロシア鉄道会社(РЖД)オフィシャルサイトより
各クラスとも座席の向きが固定されているので、列車の進行方向に向いて座りたい場合は、座席表の上部に表示されている進行方向と座席の向きを確認しながら、好みの席を指定します。(↓)
運賃は、その時の残席数に応じて変動するシステムで、空いていれば、エコノミークラスが約2600ルーブル~、ビジネスクラスで約4500ルーブル~の設定となっています。
ロシア鉄道会社(РЖД)オフィシャルサイトのチケット購入(座席指定)画面 空いている座席にマウスを合わせると吹き出しに運賃が表示されます。この画面(2号車ビジネスクラス)の席は、4493ルーブルと表示されています。
ロシア鉄道会社(РЖД)のオフィシャルサイト・チケット購入画面はこちら(↓)
https://pass.rzd.ru/main-pass/public/en
代金支払い(クレジットカードで決済)完了後、メール添付で送られてきたe-ticket
このチケットを指定号車の乗降口で係員に提示して乗車します。
この日は比較的混んでいて、ビジネスクラスは7500ルーブルほどでした。少々高めですが、この時の為替レート(1ルーブル≒2円)で日本円に換算すると、ほぼ等距離の東京-岡山間の「のぞみ」の普通席運賃より1000円ほど安い設定です。
さらに、ビジネスクラスでは食事(↓)が出ます。
サプサン757号では、発車後まもなくカートで朝食が運ばれてきました。朝食のメニューは3種類から選択できました。
飛行機の機内食のように暖かい料理は暖かく、サラダはつめたく冷やして出てきました。どちらも美味しくいただけました!
食後のコーヒー たのめばおかわりもできます。
定刻(3時間58分)でモスクワのレニングラード駅に到着、快適な乗り心地でした。
※ 2019年2月追記: レニングラード駅(モスクワにある駅です)構内
2019年1月13日に反対方向(サンクトペテルブルク行き)のサプサンを利用したときの駅構内の様子です。
レニングラード駅構内に飾られたクリスマスツリー(2019年1月13日撮影)
レニングラード駅構内のインフォメーションボード(2019年1月13日撮影)
左側 : 11:40発 サンクトペテルブルク行きサプサン764号
右側 : 11:30発 サンクトペテルブルク行きサプサン762号 (2019年1月13日撮影)
サンクトペテルブルクのモスクワ駅(モスクワに向かう列車が出発する駅)も、モスクワのレニングラード駅(サンクトペテルブルク行きの列車が出発する駅)も、それぞれの街の中心部にあるので、空港までの移動時間を考慮すると、航空機利用よりもむしろ便利なくらいです。
現在はロシアの法律により、鉄道の最高速度は時速250kmに制限されているのですが、サプサンの性能上は、時速350kmで走行することも可能なのだそうです。このため、政府は運行状況をみながら、さらなるスピードアップを検討していると聞きました。
ちなみに、日本の東北・北海道新幹線も「はやぶさ」、偶然ですが、日ロの高速鉄道が同じネーミングを使用しているのも面白いですね!実は、車体に描かれているマークもよく似ています。(↓)
以上、ロシアの高速鉄道サプサンは、モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ便利で正確な交通手段として機能していることを実感した次第です。
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