ー 4年に1度の芸術文化の国家的イベント -
出場者の国の国旗が翻る校舎前庭
モスクワ音楽院の大ホールは、4年に1度開催される若手音楽家の登竜門、チャイコフスキー国際コンクールのメイン会場となります。折しも昨年(2015年)、第15回目となる同コンクールがモスクワとサンクト・ペテルブルグで開催されました。期間中、モスクワ音楽院の前庭では、チャイコフスキーの銅像の両袖に出場者の国の国旗が翻り、華やかな雰囲気に包まれました。
コンクール期間中の音楽院大ホール前
- コンクールの概要について -
チャイコフスキー国際コンクールのオフィシャルサイトには、次のように記されています。(オフィシャルサイト:英語版(↓))
http://tchaikovskycompetition.com/en/
50年以上も前に創設されたチャイコフスキー国際コンクールは、ロシアの音楽文化の貴重な財産であるとともに、世界の音楽界の一大イベントの一つでもあります。
チャイコフスキー国際コンクールは4年に1度開催されます。初回(1958年開催)は、ピアノとバイオリンの2部門の構成でした。第2回(1962年開催)以降、チェロ部門が加わり、第3回(1966年開催)からは声楽部門が導入されました。
1990年の第9回においては、本審査に先立ち、5番目の部門としてバイオリンメーカーのコンテストが催されました。
今年のコンクールはロシアの偉大な作曲家の生誕175周年に捧げられます。
チャイコフスキー国際コンクール第15回記念大会は、2015年6月15日から7月3日まで、モスクワとサンクト・ペテルブルグで開催されます。
- ピアノ部門の審査について -
ピアノ部門は、書類とビデオ(DVD)による予備審査を通過した候補者によるオーディション(モスクワで開催)において選ばれた30名が本審査第1ラウンドに出場します。
第1ラウンドのソロ演奏の審査を経て、12名が第2ラウンドに進みます。第2ラウンドではソロ演奏に加え、室内楽オーケストラとの演奏により審査が行われ、選ばれた6名がファイナル・ラウンドに進出します。
本審査 第1ラウンド(オフィシャルサイト・medici.TV より)
本審査 第2ラウンドより
満員の客席(1800人収容)
モスクワ音楽院の学生は、本審査第1ラウンドまではチケットがなくても学生証で入場できるそうですが、第2ラウンド以降はチケット完売の日が続き、よほど運がよくなければ学生証での入場は難しくなるそうです。
審査結果発表 ファイナリスト6名(オフィシャルサイト より)
ファイナリストたち(オフィシャルサイト より)
ファイナル・ラウンド(オフィシャルサイト・medici.TV より)
第1ラウンド~ファイナル・ラウンドまでの全ての演奏は、インターネットTV(medici.TV)を通じてリアルタイムで配信され、世界中で1000万人を超えるクラシック音楽ファンが視聴したのだそうです。現在もオフィシャルサイト(medici.TV)から全ての演奏を高画質・高音質で試聴できます。
ピアノ部門 1st.round ~ Final の模様(↓)
http://tch15.medici.tv/en/performances/piano
- 審査結果の発表と表彰式 -
審査結果の発表を待つファイナリストたち(オフィシャルサイト より)
厳正な審査の結果、ピアノ部門では、ロシアのドミトリー・マスレエフさんが第1位の栄冠に輝きました。
以下、ファイナル・ラウンドの最終結果です。
1位:ドミトリー・マスレエフさん(ロシア)
2位:ルカス・ゲニュシャスさん(ロシア/リトアニア)
ジョージ・リーさん(アメリカ)
3位:ダニイル・ハリトノフさん(ロシア)
セルゲイ・レチキンさん(ロシア)
4位:リュカ・デバルグさん(フランス)
第15回 チャイコフスキー国際コンクール表彰式(オフィシャルサイトより)
- ガラコンサート -
開場前から大勢の来場者で賑わうメイン会場 モスクワ音楽院大ホール前(ESC フェイスブック・ページ より)
コンクール最終日に開催された各部門入賞者によるガラ・コンサートにはプーチン大統領が出席され、入賞者たちに最後まで惜しみない拍手を送られていたそうです。
開演に先立ち、ステージで挨拶するプーチン大統領(medici.TV より)